秋の風
秋の風の話をしましょう。最近秋の風のことばかり考えているんです。夏の方が秋のことを考えやすいし秋の方が夏のことを考えやすいですね。私だけでしょうか。。そんなことないですよね。
さてさて誰が言ったわけでもないけれど、私の中では季節は風が運んでくることになっております。毎年秋になると聴こえてきますね。すてきな風の音が。風はどこに吹く風もいつだってただの風なんです。空気が移動しているだけですね。でも風の音やにおいや温度に意識をむけるとそこからいろんな雰囲気を感じてしまいます。風の音やにおいは実は景色の音やにおいなんですね。山には山の風の音、においがあるし、街には街の音やにおいがあります。景色が変われば風も変わります。同じように季節が変われば風の持つ表情も変わりますね。景色による風の違い。春夏秋冬の風の違い。そんなものが複雑に絡み合って風の表情は実に千差万別。
私は秋の山の風が好きです。乾いた枯葉のカラカラ、サーッっていう音。それから乾いた木々のにおい。そんなものを運んでくる山の風に身を任せていると体の真ん中をスーッと風が吹き抜けていく感じがして、カラッポの充実感というか、胸の中がまっさらになったような気がします。
見上げれば水色の高く青い空。私は雑木林の中で透明な存在ともいえない何かになるのです。
風は理屈ではなくただ感じていればいいものですけれど、なぜか言葉にして伝えたいこの気持ち。それは言葉にして伝えたいほどすてきな風が吹く大切な場所が、私にはあるからです。
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